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2017年12月 (社員向け)月例社長メッセージ

先回りできるエンジニアへ

自動車の次世代技術については、頻繁にテレビや新聞でも取り上げられていますが、技術開発テーマの中心にあるのは、自動車の電動化と自動運転です。

電動化の主な目的は、地球温暖化に対する緩和対策であり、世界で排ガス規制の厳格化などが進む中、温室効果ガス排出削減を実現するために、各自動車メーカーは電動化を進めています。現行ではリチウム電池を中心に、次世代品として全固体電池やリチウム空気電池などのEV用電池の研究・実用化への開発が始まっています。

自動運転の主な目的は、わが国では「世界一安全で円滑な道路交通社会」を目指すことであり、交通事故の削減、交通渋滞の緩和、高齢者の移動支援などの推進が、社会的背景となっています。
10月27日から11月5日まで開催された「東京モーターショー2017」では、各自動車メーカーが「従来の移動手段という社会インフラとしてのクルマの概念」から、「くらしや社会と密接につながる未来のモビリティとしての役割」に進化していくことを、積極的に発信していました。自動運転化されれば、クルマそのものが家にいるとき、会社にいるときと同様な生活空間として活動でき、運転することだけに集中しなくても、目的地にたどり着くことができます。ほかの空間にいるときと同様の時間、環境を創りだすことができる、という可能性を持っているのです。

メイテックでも、自動車の次世代技術開発に取り組む製造業のお客さまとお取引をさせていただいております。自動車の電動化や自動運転という大きなテーマの中で、たくさんの技術要素が醸成され、融合され、目的に沿って新しい機能・役割として発揮されていく。その中で気付くことは、新しい革新的な技術というのは、従来からある技術要素やその延長線上にある技術を組み合わせることで、生み出されているものがほとんどだということです。ゼロから一(イチ)を創りだすのがエンジニアの使命ではありますが、その要素すべてを生み出すわけではなく、すでにある技術要素の組み合わせ方や融合の仕方によって、次の新しい技術につなげる。それを具現化させるのも、エンジニアの仕事と言えます。

エンジニアの皆さんは、製造業のお客さまがどのようなことを考えて、どういう技術を必要として、どんな課題を抱えているのか、をしっかり捉えながら、日々の業務に取り組んでいると思います。ただ、目の前のお客さまのニーズに応えることは重要なことですが、同時にお客さまがこの先を見据えて考えていること、求めていることに対する準備をしていかなければいけない。
絶えずお客さま自身が今、次、その次と考え続けているならば、エンジニアの皆さんは絶えずアンテナを張ってお客さまよりも先回りをして準備できていることが、生涯プロとして働き続けられるエンジニアと言えるのではないでしょうか。

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 國分 秀世