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2017年8月 (社員向け)月例社長メッセージ

アンテナと感性

今、自動車業界は、大きな変革を迎えようとしています。

ヨーロッパでは、フランスが2040年までにガソリン車、ディーゼル車の国内販売を禁止する方針を明らかにし、ドイツでも2030年以降、内燃機関搭載車の新規登録を禁止する法案が可決しています。スウェーデンの自動車メーカーボルボ社は、2019年以降に発売するすべての車を電気自動車やハイブリット車にする戦略を発表。ドイツの自動車メーカーアウディ社は、車主体の自動運転支援「レベル3」を、早くも2018年に実用化する、との発表もありました。

自動車業界にかかわるエンジニアにとっては、まさに直接影響のあるニュースですが、世の中のものづくりにかかわるすべてのエンジニアにとっても、他人事ではないと思います。自分自身が思っている以上に、世の中における技術の進化や環境の変化は速いものです。
そのためにも、世の中に溢れている情報の中から、「アンテナ」を張って自分で正しい情報を選択し、収集することが必要であり、変化を感じ取り、確実に受け止めるという「感性」が重要です。「アンテナ」と「感性」がないと、自分の立ち位置というものが認識できない、あるいは気付かない。それは、今後エンジニアとして、自分の進むべき方向やキャリアの創り方を間違ってしまう可能性があるということです。

では、「アンテナ」と「感性」を磨くにはどうすればよいか?

私は、疑問と探究心を持つことが重要だと考えています。「なぜ、その変化が起きるのか?」という疑問と、「その変化はどうなっていくのか?」という探究心。それを繰り返し持ち続けて自分に投げ掛けることで、その答えを求めて「アンテナ」を広く張り、「感性」が鋭く磨かれていくことになるのではないでしょうか。

そして、もう一つ。プロセスを思考することも重要だと考えています。例えば、目の前に三次元CADがあると、頭の中でイメージすることなく、複雑な形状を比較的容易に描くことができます。ただ、頭の中でも三次元でものをイメージできなければ、そこから具現化していくのは相当難しい。基礎技術を学んでいるエンジニアなら、加工技術や組み立て技術、素材、中に入る部品などのさまざまな情報から、プロセスを思考して三次元計画図を導き出し、具現化することができます。プロセスを思考することで、考慮すべき多くの情報に「アンテナ」を張って集め、「感性」で受け止めて、最適な設計・開発に結びつくのだと思います。

われわれは、2017年4月より「Engineering Firm at The Core」という呼称を制定しましたが、その中の「Firm」は、会社という単位ではなく、「一人ひとりが自立してお客さまに感動を与えるプロのエンジニア集団でありたい」ということを表しています。皆さん一人ひとりが、お客さまの今とこれからの課題に最善のソリューションサービスを提供していくために、「アンテナ」と「感性」を研ぎ澄ませておきましょう。

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 國分 秀世