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Interview

好奇心を忘れず、設計から生産全体に 知識を広げ、16年間、常にお客さまに選ばれてきた。

機械系エンジニア

和賀 博憲

目標は、技術の継承。社内講師にも興味があり、教員を目指した夢を叶えてみたい

エンジニア略歴

  • 2016年キャリア入社
  • 2016年〜次世代半導体製造装置のハードウェアの基本設計、
    半導体製造装置の不具合改善・検討

教員を目指して大学へ。
将来につながる経験をした

何十年もたって忘れかけた経験や夢がよみがえってくるのがエンジニアのキャリアの面白さ。今回登場するのは、過去とのつながりを大切に2度の転職を経験しながら、キャリアを発展させてきた人だ。

子供の時は野球少年。ものづくりが好きだったので工業高校に進んだ。

「野球部に入部しました。監督は高校野球には珍しく部員の意見を聞いて、任せる部分は任せてくれる人。その指導方法に魅力を感じて教員になりたいと思いました」

予定外の大学進学のための学習を始めた。1浪後、地元にある大学の理工学部へ。そこで将来につながる体験をした。

「1番目は、技術。『光歪アクチュエータの基礎的研究』が研究テーマで、デバイスに光を当てて湾曲させる実験の中で、材料工学の基礎を学びました」

「2番目は、サークル『ロボット研究会』でシーケンス制御を担当し、スイッチングやセンサーを理解しました」

「そして最後はアルバイト。結婚式場で記録動画の撮影を担当して、サービス業に求められるコミュニケーション能力を獲得できた気がします」

一方、当初の夢だった教職は教育実習で、違和感を覚えるようになっていた。そして方向転換。教授の推薦で地元のデバイスメーカーに就職した。

センサーのカスタマイジングを通して
トータルな開発の流れを理解した

入社したのは、リードスイッチ、磁気センサー、フォトセンサーをメイン製品としている会社で、技術部に配属。さまざまな領域の製品で使われるデバイスのカスタマイジングに関わった。

「既存のデバイスをセットメーカーのニーズに合わせて改良していきます。例えば、複写機の紙詰まりを検知するセンサー。アクチュエーターと呼ばれる、紙詰まりを検知する機構部品の要求仕様は、複写機ごとに全く違います。すぐに設計に取り掛かるのではなく、まずは要求仕様をしっかりと理解することが、誤検知しないセンサーを開発するために大切なことでした」

センサー技術は大学での研究テーマと直結した。ロボット研究会でスイッチングの基礎を知っていたのも役立った。

「思い出深いのは、トイレの設備を提供する大手メーカーと共同で、便座への立ち座り動作を検知するセンサーを開発したことでした。頻繁に水が使われる設備なので防水をどうするか。部品のレイアウトはどうするのか、誤作動をどのように防ぐかなど、アイデアを出し合い実現していく作業は困難もありましたが、エンジニア冥利に尽きる面白さも感じていました」

一人のエンジニアが最初から最後まで関われる開発体制も性に合っていた。プリント基板や3DCADを活用した筐体の設計に始まり、仕様書作成、打ち合わせなど、開発の一気通貫に関わることで、全体像をつかむことができた。だが、会社の体制が変わり、設計部隊がまるごと中国に移転するという話が出た。日本で仕事をし続けたい思いがあり、結局、最初の転職をすることになった。

LED照明開発でプロセス管理を学び、
メイテックエンジニアと出会った

転職先は地元の大手家電メーカーだった。新たにLED照明の分野に参入することになり、開発要員の役割を得た。

「メンバー全員が手探り状態からのスタートでした。プロセス管理を逆算型で行う会社で、納期は絶対動かせません。悪戦苦闘しながら進めていく仕事は容易ではありませんでした」

当時は、LED照明の小型化が十分には進んでいない時期。一方、商品のコンセプトは、従来の電球のサイズに、LEDチップのほかマイコンなどの多くのデバイスを収納するという高難易度となった。

「最初の会社で、デバイスの知識習得や、部品レイアウト検討の経験をしていなければ、対応は不可能でしたね」

コスト的な要求も高く、中国での量産立ち上げも和賀さんの役割となった。中国に渡って、言葉も風習も分からない中で交渉を続ける日々もあった。

以来7年間、LED照明の開発に関わり、製品開発をトータルにマネジメントする経験を積み重ねた。そこで2度目の転職の機会が訪れた。「最初の転職時から決めていたことがありました。管理職になり、開発を離れるようなら転職しようと。そこで視野に入ってきたのがメイテックでした」

「LED照明の開発を行っている時に、派遣で来ていたメイテックのエンジニアの助けを得ていました。技術力が高かったのはもちろんのこと、一番感じたのは、先を読んで必要なものを提供するスキルの持ち主たちだということ。資料をつくってほしいと頼まなくても『そろそろ、こんな資料が必要ですよね』と提案してくれる仕事の仕方には信頼度が高く、自分もそんな働き方がしたいと思っていました」

半導体製造分野で得た信頼感。
今後のテーマは技術の継承

2016年、メイテックに入社。以来、和賀さんは一つの現場を継続している。半導体製造装置メーカーでのハードウェアの開発。当初は次世代に向けて、高精度化を図っていく業務だった。

「すでに限界まで高精細化が進んでいる領域。さらに高密度化しながら、デバイス間の干渉を防ぎ、正しく作動させるためには、アイデアのジャンプが必要です」

取り組んだのは極低温下でエッチングできるハード設計。極限環境だけにデバイスの材質や機構の作動に関しても、常識を超える状況が起こる。それには大学で学んだ材料工学が役立った。配属先の部署の社員でも未経験な業務。ノウハウを持った人を探して、得た情報を自力でつなげていった。

現在は、プラズマエッチングで生じる超微小なゴミをなくすためのアイデア出しから製品化までに関わっている。

「化学やガスなど機械系の経験が生かせない部分も多い。だからこそ仲間と一緒にアイデアを出し合って、新しい方法を実現していく仕事の進め方をしています。これは2社目でのマネジメント経験が大きいですね。私が配属された時、今のお客さま先で活躍していたメイテックのエンジニアは数名でしたが、約30人にまで増員しました。この信頼を獲得できたのは、2社目で感じたのと同じ、メイテックのエンジニアの技術力と人間力の高さですね」

メイテック入社時の面接で目標として口にしたのは「技術の継承をしていきたい」。現在はECのマネージャーとして活動することで、目標は実現に向かっている。

「私は未経験ですが、キャリアサポート部門で講師の仕事もできるのがメイテック。教員になりたいという昔の夢まで戻ってきて、面白いものだと感じています」

将来は家電領域でロボット掃除機のような動くものの開発にも関わりたいと語る。過去の蓄積の上に立ち、着実に新しい技術の世界を構築し続ける人だ。

※当社社内報「SYORYU」:2023年夏発刊号に掲載した記事です

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