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2013年8月 (社員向け)月例社長メッセージ

自分自身のブランド

「最近は、ライセンスだけでは、なかなか食べていけない時代になりましたね」という話をよく聞くようになりました。

今でも、職業として「師」とか「士」のつくものは、大抵、ライセンス(免許・資格)が必要です。例えば、医師・弁護士・会計士などのライセンスは、取得することが非常に難しいわけですが、一昔前は、そうしたライセンスさえ取れば、職業に就くことができた時代でした。それが、今では、ライセンスだけでは難しくなった、という話です。おそらく、人口が減少し国内市場規模が拡大しないことが主因と思われますが、時代や社会の変化のスピードが加速することによって、いったん取得した専門的な知識・技術・スキルというものが陳腐化するスピードが早くなっていることも要因の一つではないかと思います。

現在、派遣法改正の検討が厚生労働省で進められていますが、論点の一つが「(派遣期間制限のない)専門業務という区分が労働市場の実態と合致しているか」というものです。社会や経済や産業や市場の変化によって、専門業務というもの自体が日々変わっていく中で、専門業務を法律で固定的に定義することは困難である、故に雇用の安定度によって規制を見直すべきだというのが、メイテックが加盟している日本エンジニアリングアウトソーシング協会の主張です。

また、エンジニアという職業は、当然のことながら、専門的な知識・技術・スキルが求められます。ただし、設計・開発の業務だけに専門性が求められるかと言えば、そうではありません。設計・開発業務の周辺に位置付けられる評価や品質保証の業務、保守点検の業務、調達の業務などにも高い専門性が求められる業務があります。そうした業務に対応する人も、エンジニアという職業に位置付けるべきだという主張でもあります。

その前提となるのが、形式的なライセンスに頼ることなく、「あの人はこれができる」という自分自身のブランドを磨き続けることがプロフェッショナルな働き方だという考え方です。


以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 西本甲介