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2013年6月 (社員向け)月例社長メッセージ

アベノミクスと製造業

最近、経済関係の記者の皆さんから必ず受ける質問の一つに、「アベノミクスは、日本の製造業にどんな影響を与えていますか?」というものがあります。それに対しては、「アベノミクスで浮かれているようなお客さまは、一社もありません」と答えています。

これは、2012年末からお客さまをラウンドさせていただき、お客さまの経営層の皆さまから聞かせていただいた話をまとめた総合的な感触です。確かに、まだまだ、輸出依存比率が高いお客さまが多いので、円安によって、2013年3月期の業績が予想以上に良くなったというお客さまはたくさんありますが、だからといって、設備投資を増やそうとか、国内に新たに工場を建てようというようなお客さまは、一社もないということです。

ただし、同時に、「技術開発投資に対するお客さまの姿勢は、極めて堅調です」とも答えています。2012年の今ごろは、中国経済の減速や、欧州経済の悪化によって、先行きの景況感は、今よりもずっと暗かったのですが、そのころも、今も、全社で、お客さまからいただく受注量に大きな変化はありません。それは、ほとんどのお客さまが、それぞれに、リーマンショックの経験を踏まえて、自社の強みを磨いていくための技術開発投資は、中長期の視点に立って、足元や目先の景気動向に左右されることなく、地道に継続するという姿勢を持たれているからだと判断しています。そうした動きは、全般に好調だと言われている自動車分野に限らず、業界全体として厳しい状況にある電機業界のお客さまでも同様であることから、そのように判断しているわけです。

目先の動向に一喜一憂したり、周りの雑音に惑わされずに、自分たちがやるべきだと決めたことを徹底してやり抜く姿勢を、私たちも学ばなくてはいけないと思います。これからの技術者派遣市場はどうなっていくのか、労働市場はどう変わっていくのか、その中で変わっていかないものは何かをしっかりと見極めて、自分たちが決めたことを、メイテックもやっていきたいと考えています。

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 西本甲介