Loading

2012年9月 (社員向け)月例社長メッセージ

1,000件の受注

当期に入って、当社の受注残数は、約1,000件の水準を維持しています。この数は、リーマンショック以前と同水準です。だからといって、当社を取り巻く受注環境が、リーマンショック以前に戻ったという認識をしてはいけないということを、社長懇話会では伝えています。

リーマンショック以前は、極論を言えば、営業担当が待っていても、お客さまの方から受注をいただくことができました。そうした受注が積み上がって1,000件の水準を保っていたわけですが、現状は、まったく違います。まずお客さま自身が、足元の業績が不安定で、先行きの見通しが不透明な状況であっても、世界市場での巻き返しを図るために必死で技術開発投資を続けていらっしゃるという事実です。現実に、大きなリストラをされているお客さまからの新規受注も、そこには含まれています。もう一つが、リーマンショックを契機に、当社の営業姿勢が、「待つ」から「攻める」に変わったことです。受注は、いただくものではなく、取ってくるものだという姿勢に変わっています。

したがって、リーマンショック以前と現状では、1,000件という受注の数字は同じであっても、その中身はまったく異なるものであるということです。また、当社の成約実績を見る限り、3ヵ月以内に成約できない受注のほとんどは消滅していきます。これは、現在の1,000件の受注は、リーマンショック以前とは比較にならないスピードで、入れ替わっているということです。

稼働率もしかりですが、数字だけを見ると、リーマンショック以前に状況が戻っているように感じてしまうことがあります。しかしそれらは、すべて錯覚です。技術者派遣市場自体が、さまざまな点で、リーマンショック以前と以後では、大きく変わろうとしているのが実態です。

そうした市場変化に対応できるような企業体質や事業基盤に変えていくことが、中期経営計画「共創21」の目的でもあります。収益目標以外に設定している7つの戦略目標を、着実に実行していきたいと考えています。


以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 西本甲介