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2013年9月 (社員向け)月例社長メッセージ

新しい働き方

去る8月20日(火)に、厚生労働省の「今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」が、検討結果をまとめた報告書を発表しました。これは、2012年3月の国会で、派遣法改正が決議された際に、「派遣法の期間制限区分の在り方や、派遣労働者のキャリアアップの在り方についての検討を行う」という付帯決議がなされたことによるものです。したがって、本報告書の内容が、今後、労働政策審議会(公・労・使のメンバーで構成される厚生労働大臣の諮問機関で、ほとんどの労働法案は、国会提出の前に、この機関で事前審議される)で審議され、早ければ、2014年の国会に法案として提出される見込みです。

まだ、研究会の報告書の段階ですが、「派遣業務の期間制限を、現状の専門業務による区分ではなく、無期雇用と有期雇用に区分して、無期雇用であれば、期間制限をなくす」という見直しを行うという内容になっています。この内容は、日本エンジニアリングアウトソーシング協会が政策提言している内容に即したものですが、長年、メイテックが主張してきた「派遣であっても、無期雇用であれば、雇用が不安定な有期雇用派遣に対するような規制は無用であり、他の正規雇用と同様に法的にも扱ってほしい」という趣旨に即した内容になっています。こうした考え方の社会的合理性が、一定の範囲で認知されたことは、大きな前進であり、意味のあることだと考えています。

メイテックでは、メイテックのエンジニアの働き方を“新しい働き方”であると言っていますが、何が古くて、何が新しいか、という点についても、去る6月に、政府の成長戦略(案)で示された「雇用政策の転換」と合致していると考えています。つまり、そこでは、従来型の雇用政策は「雇用維持型(雇用された一企業に、できるだけ人をとどめようとする考え方)」と表現され、これからのあるべき労働政策は「労働移動支援型(企業の枠をこえて、できるだけ成長分野に人が移動することを支援することによって、産業の活性化と雇用の安定化をはかる、という考え方)」と表現されています。メイテックのエンジニアの働き方は、メイテックが雇用を守り、エンジニア自身がエンジニアという職業の軸を持ちながら、成長分野(製造業であるお客さまが、自社の成長のために、もっともエンジニアという経営資源を投入したい場所)に配置・ローテーションされ、お客さまや、ときには分野さえも移動することによってキャリアアップしていく働き方ですから、まさに「労働移動支援型」を先駆けた働き方のモデルと言えると考えます。時代や社会に先駆けているからこそ、“新しい働き方”だと言っているわけです。

今後の派遣法改正が、研究会の報告書通りに進むかどうかは未定ですが、その内容が、長年、メイテックが主張してきたことが盛り込まれた内容であり、メイテックが創り出してきた“新しい働き方”が、大きく社会的に認知される可能性を持った内容であること、そして、法改正がなされた場合には、これからのメイテックの事業、技術者派遣業界、派遣業界全体、ひいては今後の労働市場の在り方に対して、大きな一石を投じる可能性を持った内容であることを、メイテックの社員は、しっかりと理解し、誇りを持ってほしいと思っています。

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 西本甲介