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2011年5月 (社員向け)月例社長メッセージ

一歩を踏み出す意味

先月のメッセージで伝えたように、東日本大震災の影響によって、新・中期経営計画「共創21」をスタートさせるかどうかに検討を要しましたが、一歩を踏み出すこととしました。すでに採用活動(新卒・キャリア)も再開しています。

新・中期経営計画「共創21」をスタートするからといって、先行きを楽観しているわけではありません。当社のお客さまである日本の製造業は、サプライチェーンの断絶による部品調達の問題、電力不足による生産制約の問題、そして原発事故による国際的な風評被害という三重苦に直面されています。日本の製造業は、こうした問題や制約を必ず乗り越えていかれると確信していますが、楽観はしていません。

サプライチェーンについては、すでに世界中の調達先の見直しも含めて、途切れた部品の代替に取り組まれていますが、自動車のように単純な設計変更では対応できない部品もあります。電力不足は、場合によっては数年続くという見方もあります。風評に対しても、安心と安全の事実証明をすることによって対処されていくと思いますが、信頼回復には一定の時間を要するかもしれません。あるいは、それ以外にも、いわゆる想定外の出来事が、製造業だけでなく社会や経済全体にとって、さまざまなリスクとなっていくかもしれません。

まさに先行きの動向は、不透明で見えないと言わざるをえないのが実状です。では、先が見えないから立ちすくむという判断をすべきかというと、そうではなく、一歩を踏み出すという決断をしました。幸い、東日本大震災の当社に対する影響は、足元では限定的です。限定的、つまり一歩を踏み出す力があるのであれば、先行きが不透明だとしても前に進むべきだと決断しました。

おそらく、今は、ほとんどの日本企業が同じような判断をされているのだと思います。ここで立ち止まってしまっては、リーマンショックを抜け出した力さえ失ってしまうという危機感の裏返しとも言えます。この一歩を、持続できるようにしていきたいと考えています。

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 西本甲介