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2009年1月 (社員向け)月例社長メッセージ

なすべき事をなす年

新年、あけましておめでとうございます。

2009年という年がどのような年になるかは、まったく予断ができません。言うまでもなく、昨年以上に、企業や個人をとりまく環境が厳しくなっていくこと は、誰もが実感しているわけですが、この厳しさがどのくらい厳しくなっていくのか、いつまで続くかが、まったく不透明だということです。現在、当社の顧客 企業の皆さまも、来期の予算編成をされていますが、例年以上に遅れているのは、来期の動向がまったく読めない業界が多いことが主因です。今年の秋ごろには 世界的な金融不安も収まり、徐々に景気が回復していくという楽観論もあれば、今世界で起きていることは日本経済がバブル崩壊で経験したことが世界的に起き ているのだから5年は覚悟しなければいけないという悲観論もあります。まさに、予測不能の状況の中で、企業も個人も、新しい年を迎えているわけですが、間 違いなく言えることは、なすべき事をなす年にしなければならないということだと思います。

では、なすべき事とは何か、ということになりますが、平時・有事にかかわらずに継続してなすべき事と、有事だからこそなすべき事があるのだと思います。当 社事業でいえば、顧客満足度を高めていくために、プロのエンジニア集団として社員一人一人が成長していく取り組みは、平時・有事にかかわらず、持続して取 り組んでいくことになります。したがって、当社も来期予算編成の真っ最中ですが、教育投資予算については、削減せずに、むしろ増額の方向で検討していると ころです。

今、あらゆる企業が、なすべき事と、なすべきでない事の選別を行っているのだと思います。これは、短期戦略と中長期戦略のバランスとも言えます。例えば、 メーカーであれば、たとえ短期的には厳しくても、中長期の持続的成長のためには技術開発投資は継続しなければならない、ということです。ただし、先行き不 透明な現状においては、いわゆる「選択と集中」の判断が、より鮮明になってくると予測しなければなりません。例えば、コスト・品質・スピードという競争優 位性の三要素に照らし合せて、世界市場の中で自社が勝ち抜いていけるテーマは、どんなに厳しくても継続するが、それ以外のテーマからは撤退する、というよ うな判断です。今までは、業界で3位以内に入る可能性があればやろうという判断が、業界1位の可能性があるものしかやらないという判断になっていく可能性 もあります。

メーカーにおいて、こうした厳しい選別による開発テーマの絞り込みが行われれば、当社にとっても厳しい影響となっていきます。しかしながら、大きな視点で とらえれば、メーカーから技術開発投資がなくなることはない、ということでもありますし、どんなに厳しくとも、エンジニアを必要とされる場所はある、とい うことでもあります。たとえば、現在は、高騰していた原油や資源価格も下がっていますが、世界経済全体が成長していく以上、実需は必ず高まっていくわけで すから、景気回復局面では、ふたたび高騰していくことが予想されます。ということは、今度の景気回復局面では、従来以上に、省エネルギー・省資源の商品や サービスが求められていくということになります。あるいは、新興国需要では、高機能・高価格商品ではなく、適正機能・低価格商品の需要が拡大することも予 想
されます。同時に、CO2問題を筆頭に、地球環境により負荷をかけない生産が求められていきます。こうした大きな流れに即した技術開発は、どんなに厳しい 環境下でも、継続していく企業があるということですし、全社員で、そうしたチャンスを逃さないようにすることが、われわれのなすべき第一の事となります。

「最善のものを希望せよ、ただし、最悪のものに備えよ」という古の格言を、常に考える一年にしたいと考えています。

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 西本甲介