2008年10月 社長挨拶

2008年10月 (社員向け)月例社長メッセージ

派遣法改正について —本当の業界健全化に向けて

すでに新聞などで報道されていますが、去る7月28日に、厚生労働省が開催した「派遣法研究会」(正式名称:「今 後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会」)の報告書が公表されました。今後は、この報告内容に基づいて、同じく厚生労働省が開催する労働政策審議会に おいて派遣法改正の論議が進められていきます。同時に、臨時国会において政党からの立法準備もされていることが、9月初旬時点では報道されています。

そもそも派遣法研究会が開催されたのは、一部派遣事業会社による日雇い派遣における不当な経費搾取や違法派遣、あるいは偽装請負などの法令違反事例の多発 により、派遣労働そのもののあり方についての見直しを求める社会的な要請が高まってきたことが発端となっています。同時に、日雇い派遣などの働き方が、雇 用の不安定・低収入による社会的格差の要因になっているのではないかとの指摘もあり、そうした社会的圧力から見直しの機運が高まってきたわけです。

そうした経緯から、当報告書においては、日雇い派遣の禁止などの提言が盛り込まれており、この点についての社会的な関心が高いために、新聞などでもこの部 分のみが強調されて報道されるケースが多いのですが、メイテックならびにメイテックが属する日本エンジニアリングアウトソーシング協会が、派遣法について 主張してきた内容も、実は相当に反映されています。具体的には下記の2点が明確に提言されています。



常用型派遣と登録型派遣を、法的にも明確に区分すべきであること

したがって、派遣法40条に規定されている派遣先企業の雇用申込義務は、常用型派遣には不適当であること。


その意味では、当報告書は、社会的風潮に流された内容ばかりではないという点で、当社としては一定の評価をすべきだと考えています。特に、現行法制では、 特定派遣事業と一般派遣事業という事業類型による区分がなされていますが、労働者の雇用実態に合わせて、常用型派遣(期間の定めのない雇用)と登録型派遣 という区分に再整理すべきだという論旨には、大いに賛同すべきであると考えています。また、派遣法40条については、本来の法律の趣旨は、「雇用の不安定 な派遣労働者(登録型派遣)に対して、雇用安定の機会を提供していく」というものであることから、当社のように、すでに雇用が安定している常用型には不適 当であるという主張を、当社は法令制定直後から行ってきましたが、ようやく当社の主張の合理性が、公に指摘された内容にもなっています。したがって、こう した社会的合理性のある点が、今後の法改正につながっていくように、当社としても活動を続けていきたいところです。

また、当報告書では、悪質業者の排除に対する規制強化の点にも触れられています。派遣社員(登録型)・パート・アルバイト・契約社員などの、いわゆる非正 規雇用労働者の比率は、2007年には33%を超えており、わが国の労働市場の約3分の1を占めるようになっています。この比率は、15年ほど前までは、 約20%で推移していたので、急速に非正規雇用が拡大したことは事実です。その背景には、企業が柔軟な雇用を活用することにより市場環境変化への対応力を 高めるという大きな流れがあったわけですが、何事も急激に拡大すると「ひずみ」や「ゆがみ」が生じるものです。それが、人材派遣・請負業界においては、労 働者の基本的な権利を無視して社会保険料さえ払わないような悪質業者が跋扈するようなかたちになったわけです。そうした意味では、業界の健全化のために悪 質業者が排除されていくしくみを構築していくことは必然的な流れでもありますが、それを法律で規制すべきかどうかは議論の分かれるところです。健全な自由 経済社会においては、悪質業者は法律で規制されるまでもなく、顧客や労働者から選別され、自然淘汰されていくべきではないかと私は考えます。そうした考え から、当社も日本エンジニアリングアウトソーシング協会に参画し、「良貨が悪貨を駆逐していくことによる業界の健全化」に取り組んでいます。

いずれにしても、「派遣」という働き方に対してネガティブなイメージが持たれ過ぎているのが、今の社会の実情ですが、こうした社会的な関心の高まりは、健 全な業界になっていくチャンスでもあります。今は、社会的逆風の影響の一部を当社も受けざるをえませんが、この機を逃さず、健全な業界づくりに、一層尽力 していきたいと考えています。

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 西本甲介

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