2008年8月 社長挨拶

2008年8月 (社員向け)月例社長メッセージ

「本当になりたい自分」を見つける旅

1. はじめに
8月は、これからの自分の人生の方向性を考えたり、生き方について考えてみるのにちょうど良い時期だと考えています。エンジニアの皆さんの場合は、新年度 が始まって、契約更改や、新たな顧客への配属が一巡するころですし、間接部門においても新年度の立ち上がり業務に、一区切りがつくころだからです。つま り、仕事環境が少し落ち着き、夏季休暇の際などに、普段忙しくてできないような思考を行ってみるのに適した時期だということです。そこで、今年も、8月 は、少し長い時間軸のキャリアというものについて、一考してみたいと思います。

2. キャリアクルージングという考え方
キャリアを長い時間軸でとらえると、「本当になりたい自分を探し、それを見つけた後は、いかになりたい自分に近づくか、という旅を続けること」、という見 方がされる場合があります。これをキャリアクルージングという言い方をする場合もあります。なりたい自分を探し続けて終わってしまう旅もあれば、なりたい 自分を見つけることはできても、なかなかそこに到達できない旅もあったりします。あるいは、到達したと思った瞬間に、次のなりたい自分を見つけてしまい、 また次の旅を始めることの繰り返しになるかもしれません。まるで、ロールプレイング・ゲームの主人公のような位置づけですが、ロールプレイング・ゲームの 人気は、自分自身のリアルなキャリアの旅を、ゲームというバーチャルな時空間に、分かりやすく自己投影することができるところにあるのかもしれません。い ずれにしても、まず「本当になりたい自分」を見つけることが、キャリアの旅の第一章であることは、間違いないかもしれません。しかし、これがなかなか難し くて厄介なテーマです。

3. 自分探しの旅から始まる
よくエンジニアの皆さんたちと話していると、自分が本当になりたいエンジニアというものに気付くことができたのは、30歳前後だという人が多いように感じ ます。もちろん、もっと早い時期に見つける人もいますし、40歳になっても、まだ自分探しを続けている人もいます。そういう話をしていて感じることは、自 分で意識しないかぎり、自分がなりたい自分を見つけられない、ということです。仕事をしながら、心のどこかで、自分はどういうエンジニアになりたいのだろ う、どういう仕事ができるようになりたいのだろうということを、常に自問し続けないかぎり、なかなか本当になりたい自分に気付けないということです。逆に いうと、それを意識しないと、自分のキャリアについて思考停止状態が続き、気がついたらずいぶん時間が経ってい
た、というようなことが起きやすいということです。

一方で、本当になりたい自分を勘違いしてしまう場合もあるようです。新卒のエンジニアたちと話していると、時々、「将来、自動車の設計ができるようになり たい」とか、「液晶関係の仕事がやってみたい」とか、「携帯電話の仕事がやってみたい」ということを聞きます。しかしながら、よく聞いてみると、本当に自 分は自動車が好きだから、という純粋な夢のような願望ではなく、日本の製造業の中で自動車が一番強そうだから、とか、液晶や携帯電話関連の仕事をやってい ると、なんとなくかっこよく思えるというような場合があります。なんと浅はかな、という意見もあるかもしれませんが、こうしたあいまいな願望のようなもの でも、ないよりはあった方がいいと思います。何でも、自分で実際に経験してみないと、本当のところは分からないわけで、自動車の設計業務が、本当に自分の 「やりたい仕事」なのか、そうでないかも、やってみれば分かります。もし、そうでないのであれば、早く気付いた方がやり直しがきくという考え方をすれば、 とにかく、まずやってみるということは否定されるものではないと思います。たとえば、ベストマッチングシステムも、とにかく、自分がやってみたい仕事に一 番近しいものを見つけ出すために使う、という使い方もあるかもしれません。そうやって、試行錯誤を繰り返しつつ、本当になりたい自分を運よく見つけ出すこ とができれば、それになれるかどうかは別にしても、少なくとも、そこに近づこうとすること自体が、自分が納得できる旅になるのではないでしょうか。

4. 幸運な旅
一方、なかなか本当になりたい自分を見つけられないときは、どうすればいいでしょうか? 一般的には、むしろ、こちらの方が多いかもしれません。そうした人には、キャリアクルージング理論ではなく、プランド・ハップンスタンス理論がお勧めで す。これは、自分のキャリアを振り返って成功したと思っている人ほど、「自分はなんて幸運にめぐまれたのだろう。あの時あの人と巡り会えたから、あの時に あの仕事に挑戦できたから、今の自分がある。まるで、あの人やあの仕事に出会うことが、あらかじめ計画されていたかのようだ、と感じる」という理論です。

私は、個人的には、むしろこちらの方にリアリティを感じます。これは、別の言い方をすれば、どのような仕事にも、あるいはどのような仕事環境からも、自分 が学ぼうとさえすれば学べることはたくさんある、という考え方です。つまり、仕事というものは、自分がやりたい仕事に運よく挑戦できる人は稀であり、むし ろ、自分が望まない仕事を与えられる場合の方が多いのだと思います。ただし、そうした仕事であっても、自分の意識や見方を変えるだけで、その仕事の意味が 変わったり、学ぶことが、がぜん多くなってくるのも事実です。これは、大なり小なり、誰もが経験することだと思います。最初は、何で自分がこんな仕事をし なければいけないんだろう、というネガティブな姿勢から入っていったとしても、とにかくそれをやり遂げてしまうと、それをやり遂げることによって成長した 自分に気付くという経験です。

そうした経験を繰り返しているうちに、自分にできることが増えていき、その結果、自分と一緒に仕事をする仲間たちからあてにされるようになり、結果とし て、自分がやってみたいと思っていた仕事を任されるようになったりするわけです。そうすると、あの時、あの仕事から逃げなくてよかった、あの時はものすご く嫌だと思ったけれど、それを乗り越えたから今の自分があるんだ、という達成感を感じたりするものです。なんだか、行き当たりばったり理論のようだと思わ れるかもしれませんが、そもそも、本当になりたい自分があらかじめ分かることの方が、確率でいえば、はるかに低いのではないでしょうか。

5. 誰にも成長機会がある会社
これは、当社の場合でいえば、どのようなお客さま先でも、どのようなECでも、どのような部署でも、自分の姿勢や見方によって、必ず自分の成長機会はあ る、ということだと思います。その成長機会に気付いている人は、他人が世話を焼かなくても、勝手に成長していきます。ただし、誰もが最初から気付いている わけではありません。あるいは、そうしたことに気付いても、自分が逃げ出したい仕事に直面したときほど、つい逃げようとしてしまうのも、人間心理の一面で す。

せっかく同じメイテックという共同体の仲間同士であるわけですから、もし、自分の成長機会に気付いていない人がいたら、それを、そっと気付かせてあげる優 しさみたいなものが、メイテックのDNAの一部だと思っています。これは、エンジニアも間接部門も同じです。できるだけ多くの人が、自分の成長機会に気付 くことができる会社、というのは、会社にとって大きな魅力だと考えます。こうした魅力は、真・Global Vision21の、グループすべての人たちが活躍できるステージを拡大していく、という成長戦略にもつながっていきます。

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 西本甲介

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