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2008年7月 (社員向け)月例社長メッセージ

ブリッジエンジニア事業の意義

皆去る6月6日㈮に、テレビ東京系列の『ワールドビジネスサテライト』において、メイテックグループのブリッジエ ンジニア事業が、「労働人口不足、エンジニア不足が顕在化している日本の労働市場において、先駆的な取り組みを行っている事例」として紹介されました。前 日に取材依頼があり、翌日には小職のインタビュー取材、即放送であったことから、社員の皆さんに十分に周知できませんでしたが、多くの社員の皆さんから 「見ました!」という声を聞き、うれしく思っています。

マスコミ取材において留意しなければならないことは、情報が必ずしも正確に伝わるわけではないということ、ならびに不正確な情報であっても、マスメディア を通した活字や映像として伝達されると、情報伝達された側(視聴者や購読者)は、それを事実として認識してしまうこと、と言われています。特に、テレビの 場合は、非常に限られた時間(数十秒)の中で、インパクトのある情報を流したいという取材側の意図(*視聴率を取りたい)もあるので、肝心の情報が割愛さ れ、テレビ受けするような情報や場面だけが流されてしまうリスクもあると言われています。そういう制約条件を踏まえると、今回の放送は、限られた時間の中 で、当社が社会に伝えたいメッセージが、おおむね正しく取り上げられていたと思います。ブリッジエンジニア事業の意義として、当社が社会に伝えたいメッ セージは、次の2つです。

1)顧客のグローバル戦略のパートナーになること
2)外国人を日本人と等しく戦力とみなし、日本人と区別しないこと

1)は、メイテックのグローバル戦略は、顧客である日本の大手メーカーのグローバル戦略に対応していく戦略だということです。現在、すでに日本の大手メー カーのほとんどが中国に生産と開発の拠点を展開されています。そして、現地でも、いいエンジニアが採用できない、採用できてもなかなか定着しないという問 題に悩まれています。同時に、グローバル戦略を展開されているメーカーほど、海外展開のために国内エンジニアの一定数を海外にシフトしなければならないが ゆえに、国内でもエンジニア不足に悩まれています。したがって、グローバル戦略を推進されているメーカーほど、海外(現地)でも、国内でもエンジニアが不 足するという状況が生まれています。当社としては、その両方のニーズに対応していくために中国人エンジニアを活用する事業を始めているわけです。

その一つが、国内のエンジニア・ニーズの一定数を補完するために、中国人エンジニアを派遣するブリッジエンジニア事業です。同時に、中国現地のニーズに応 えるために、当社の中国人エンジニア育成拠点の卒業生の半数は、現地で日系メーカーに職業紹介を行っています。また、中長期的には、国内で派遣したブリッ ジエンジニアの、顧客企業への正社員化も視野に入れていることから、顧客企業のグローバル戦略を担うキーマンになってほしいという意味で、ブリッジエンジ ニアとネーミングしています。つまり、メイテックグループは、単に国内労働市場がエンジニア不足だという単純な理由で、中国人の仲間を増やそうとしている わけではなく、顧客企業のグローバル戦略のパートナーとしての役割を果たすことによって、より顧客との信頼関係を強いものにしたいと考えているということ です。放送では、ここまで掘り下げた内容にはなっていませんが、少なくとも、メイテックグループが、国内労働市場の逼迫から、短期的な視点でブリッジエン ジニア事業を行っているわけではないというメッセージは伝わったと思います。

また、2)の「外国人を、日本人と等しく戦力とみなし、日本人と区別しない」という考え方は、より社会性のあるメッセージだと思っています。メイテックグ ループが、ブリッジエンジニアの皆さんを処遇面で日本人と区別しないのは、区別しないことによって、中国の若者たちに対して、メイテックという企業の魅力 を理解してもらい、長期的に「いい人材」に来てもらうという狙いがあります。これは、日本の労働人口の絶対数が減少していくことを踏まえれば、将来的には 外国人を労働力の補完的役割ととらえるのではなく、日本人と等しく戦力としていかねば、国家全体の生産力を維持向上することはできないという認識に基づ
いています。

これは、海外から日本を見た時に、「日本人は外国人を安く使おうとする」と見られるのではなく、「日本人は、国籍・人種・性別に関わらず、フェアに処遇し てくれる」という価値観を持ってもらうことが、日本企業の真のグローバル戦略に寄与するという認識でもあります。また、そういう価値観を持つことが、メイ テックグループ全社員の誇りにもつながっていくと考えています。そういう意味でも、ブリッジエンジニア事業は、真・GlobalVision21の一翼を 担っているわけです。

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 西本甲介