2007年9月 社長挨拶

2007年9月 (社員向け)月例社長メッセージ

2007年9月 (社員向け)月例社長メッセージ

「偽装社会」への警鐘

今年は「偽装」という言葉が、悪い意味での産業界の流行語になりそうです。正確に言うと、一昨年に露見した「マン ションの耐震偽装」問題に端を発しているのかもしれません。最近では、「食」の偽装が次々と発覚しています。牛肉の入っていない牛肉コロッケ、賞味期限の 切れた材料を使ったケーキ、中国から輸入されながら浜名湖に一回つかると静岡産として出荷される鰻、牛脂を注入した霜降り肉などなど、われわれの生命線と も言える食の安全さえ、偽装にごまかされないように自分たちで目を光らせる必要が出てきました。政治家の事務所費用の「偽装」も、先日の参院選に大きく影 響しました。当社のような製造業向け人材サービスにおいても、昨年から一部企業の「偽装請負」の問題が注視されています。まるで「偽装社会」のようなあり さまです。

こうした偽装問題が怖いのは、実際にはその業界のごく一部の企業や人が行っていることであっても、一旦マスコミなどで報道されると、その業界全体が偽装し ているような見方がされやすいという点です。マスコミもこうした問題は世間の注目を集めやすいので、過剰に報道してしまう場合もあります。その結果、一部 の心ない事業会社や経営者の行動によって、その業界全体のイメージを大きく損なうことになり、まじめに事業を行っている会社や、その業界で働いている人た ちに多大な迷惑を与えることになります。また、こうした偽装が偶発的な理由で起きたのではなく、経営が意図して行った場合には、どんなに大きな企業であっ ても致命傷になる場合があります。日本最大の介護事業会社がなくなろうとしていることが象徴的な事例です。だからこそ今、普通の企業は法令順守というテー マに真剣に向き合おうとしているわけです。それでも企業不祥事が絶えないのはなぜか?法律を守るという基本的な行動が、なぜ組織の中で徹底できないことが 起きてしまうのか? これは、当社も他人事ではなく、真剣に考え続けなければならないテーマです。私はこのテーマについても、経営の意志と現場の行動を一致させること、その努 力を継続することが必要だと考えています。

たとえば、「偽装請負」の問題を見ていると、起こるべくして起きたという側面もあるのではないか、ということも考えさせられます。つまり、日本の大手製造 業で法令を守らなくていいという経営者は一人もいません。また、日本の大手製造業が世界の市場競争の中で勝ち残っていくためには、コスト削減は永遠のテー マです。したがって、おそらくあらゆる製造業の現場は、「法令順守」という指示と「コスト削減」という指示の両方に直面しているわけです。そしてコスト削 減の成果は、日々・月次で数字で明確に把握されます。一方で法令順守の方はそれが徹底できているかどうかは把握しにくいために、問題が起きるまで気が付か ない場合が起こりえます。派遣法という法律の細部まで理解している人は、製造業でもまだ十分ではありません。したがって専門の事業会社から「こうすれば法 律に違反しません」と言われたら、「そうかな」と思ってしまう場合もあり、それがコストダウンにつながれば判断が甘くなる場合もありえるということです。 もちろん使用者としての責任もあるわけですが、専門の事業会社がお客さまに対して、何が正しくて何が正しくないのかを的確かつ正確に説明する責任の方が重 いと考えます。言わば、コストというお客さまのいちばん関心の高い部分だけを訴求することによって、結果として「偽装請負」という問題にお客さまを巻き込 んだ事業会社があったということです。

当社がこうした業界問題に対処していくために、まず事業会社から襟を正していこうという趣旨から、本年2月に日本エンジニアリングアウトソーシング協会を 設立したのは、お客さまに安心してサービスを受けていただける健全な業界にしていきたい、という考えに基づいています。日本エンジニアリングアウトソーシ ング協会の最初の具体的活動として、本年7月から「業界健全化キャンペーン」をスタートさせ、お客さまとともに偽装請負を一掃しようという取り組みを行っ ているのも、お客さまに安心していただける業界にしていくことが主旨です。そして、「日本エンジニアリングアウトソーシング協会加盟企業であれば、安心し て取引できる」という業界ブランドにしていきたいと考えています。

お客さまの現場においては、まだ十分に派遣法についての理解をされない場合もありますが、メイテックとして、そして日本エンジニアリングアウトソーシング 協会発起人企業として、そして業界No.1企業として、地道にお客さまの理解を深め、業界健全化に取り組み、お客さまだけでなく、この業界で働くすべての 人たちが安心して誇りを持って働けるようにしていきたいと考えています。

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 西本甲介

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