2007年5月 社長挨拶

2007年5月 (社員向け)月例社長メッセージ

eコミュニティの可能性

去る3月のとある土曜日に、東京本社でeコミュニティ大会が開催されました。これは毎期末に新旧の各eコミュニ ティリーダーが現状のレビューと来期の方針発表を行うものですが、今年はeコミュニティリーダーの発案で、投稿数の多いエンジニアの皆さんにも参加してい ただきました。社長懇話会にしろ、一泊研修会にしろ、マネージャー懇話会にしろ、第一線のエンジニアの皆さんが日々何を思い、何について考えているのかを 直接聞かせていただくことが経営に対するいちばんの刺激ですが、今回もいろいろな意味で刺激的な一日でした。新旧のeコミュニティリーダーの皆さんのプレ ゼンテーションの端々からあふれてくる思いや、全国から参加していただいたエンジニアの皆さんたちとのセッションの熱さに、思わず引き込まれていました。

6,000人のエンジニアが、いかにつながり合い支え合うしくみをつくるかという命題に対する取り組みは、実はeコミュニティが始まりではありません。ベ テラン層のエンジニアの皆さんの記憶をたどっていただけば、創業以来、当社のエンジニアの皆さんが、会社とともに取り組んできたさまざまな試みを思い起こ していただけるはずです。つまり、何千人ものエンジニアが日々、自動車・エレクトロニクス・産業機器・精密機械・半導体などのさまざまな分野で、プロのエ ンジニアとしての貴重な経験を積み、さまざまな知識や技術を修得している。同時に、技術開発に伴う多様なトラブルや障害を乗り越えている。こうしたノウハ ウを属人的に持つだけでなく、メイテックのエンジニア全員で共有できれば、われわれはもっと強いプロのエンジニア集団になることができる!という命題で す。しかしながらこの命題に取り組む上での最大の障害は、「何千人ものエンジニアが、どのように情報共有をしたり、コミュニケーションをするか?」という ものでした。さまざまな試みがなされましたが、その都度、紙媒体や電話・ファックスによる情報インフラの制約により、フェードアウトしていきました。

インターネットがこの制約や障害を乗り越えるインフラになるかもしれないという着眼点からスタートしたのが、当社のeコミュニティです。本格運用から3年 を経過しましたが、目ざす到達点から比べればまだ1合目か2合目というところでしょうか。しかしながら今回のeコミュニティ大会では、その萌芽が着実に育 ち始めているのではないかという期待を感じさせていただきました。期待はいくつかあるのですが、もっとも大きな期待は、「エンジニアとエンジニアがつなが るしくみ」としての可能性です。あえて書くまでもなく、デジタルコミュニケーションにもメリットとデメリットがあります。特にeコミュニティにおける主な メリットは即時性と同時性、デメリットはテキストデータによるコミュニケーションの限界、別の表現をすれば、顔が見えないコミュニケーションの限界や情報 量の制約というものだと考えます。これはeメールにも言えることですが、あらかじめヒューマンな関係性(アナログな関係)が構築されている上でのデジタル コミュニケーションは、行間のニュアンスなども伝わりやすいものですが、顔も名前も知らないもの同士では、表面的なコミュニケーションに終始してしまった り、誤解をまねいてしまったりすることがあります。したがって、デジタルとアナログの両方のつながり方が成立するときに、良好なコミュニケーションが成立 するわけです。

今回のeコミュニティ大会の中で、「eコミュニティは、エンジニア同士が社内人脈をつくるシステム」というとらえ方や実践の発表がありました。具体的に は、eコミュニティによるデジタルコミュニケーションをきっかけにして、ほかのECのエンジニアと知り合うことができたという発表や意見表明です。これら の声は最初から意図されたものではなく、結果的に「自分が知り合いたいエンジニアとつながるための手段」としての有効性に気が付いた、というニュアンスで した。デジタルコミュニケーションの最大の可能性は、即時性や同時性ではなく、『検索』にあるのではないか、という点にエンジニアの皆さんたち自身が実践 から気づき始めているということを私は感じたわけです。まさにインターネットの世界で起きている進化が、eコミュニティの中でも起きようとしているという 感慨でした。

まだまだわれわれが目ざすところに到達するためには、さまざまな紆余曲折を経ていくことが想定されますが、「eコミュニティをリードしていくのは、自分た ち若い世代だ」という20代のエンジニアの声と、それをうれしそうに受け止めている中堅やベテランエンジニアの皆さんの姿に進化の一歩を感じました。

以上

メイテックグループCEO
代表取締役社長 西本甲介

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